疾患と検査値の推移
閉塞性黄疸と血清ビリルビン
海老原 裕磨
1
,
加藤 健太郎
1
,
松本 譲
1
,
土川 貴裕
1
,
七戸 俊明
1
,
田中 栄一
1
,
平野 聡
1
1北海道大学大学院医学研究科消化器外科学分野Ⅱ
pp.1351-1354
発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103761
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はじめに
黄疸とはビリルビン代謝が疾患により破綻し,血清をはじめとする体液にビリルビンが貯留した状態である.ビリルビンは赤血球中のヘモグロビンが変化してできた物質で,肝臓で作られる胆汁の主成分の一つである.赤血球が分解され,血液中から肝臓へ運ばれたビリルビンは肝細胞内にてグルクロン酸抱合を受け,胆汁の成分として胆管内に排泄される.これらのビリルビン代謝のいずれかが障害されることにより高ビリルビン血症(黄疸)となる.黄疸をきたす疾患は数多くあるため,鑑別診断を行う際には原因となる病態を正しく理解することが重要となる.本稿ではまず正常のビリルビン代謝について述べ,次いで黄疸の鑑別診断ならびに閉塞性黄疸に対する術前減黄法などについて解説する.
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