臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集
Ⅷ.血液化学検査
88.血清蛋白
橋本 信也
1
Nobuya Hashimoto
1
1東京慈恵会医科大学・第3内科
pp.2302-2304
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219409
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
血清蛋白は血漿の構成成分中約7〜8%を占め,水に次いで量的に最も多い.しかも血清蛋白は多くの成分からなり,その数は今や100種に近いことがわかってきた.この血清蛋白分画はそれぞれが機能を有し,いろいろな病的状態で変動する.したがって,血清蛋白といった場合,まず総濃度を知り,ついで主要蛋白分画の状態を検索することが必要である.
しかし,蛋白分画に異常があっても,総蛋白濃度は正常値範囲内にあることもあるから注意が必要である.実際に日常の臨床上,総蛋白濃度の変動をみる頻度より,蛋白分画の異常をみる割合の方がはるかに多い.したがって,ルーチンの検査では血清蛋白総濃度だけを測定するのではなく,蛋白分画を同時に測定することが望ましい.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.