臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集
Ⅶ.免疫血清検査
80.HA抗原・抗体系
谷川 久一
1
,
佐田 通夫
1
Kyuichi Tanikawa
1
,
Michio Sata
1
1久留米大学医学部・第2内科
pp.2282-2284
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219401
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A型肝炎ウイルス(HAV)による肝炎は伝染性肝炎(infectious hepatitis)と呼ばれ,その存在が昔から知られていたが,Krugmanらにより行われたWillowbrook state schoolでの人体接種実験や,感受性動物を用いた感染実験などの経過を経て,1973年FinestoneによりHAVがヒトA型肝炎患者糞便中から発見された.
この時からすでに10年以上の歳月が過ぎたがその後の進歩はめざましく,A型肝炎に関する臨床ならびに基礎的知見の集積が着実に行われ,ほぼその全容が明らかにされた.このことは日常臨床の場においてone point血清を用いてHAVに対するIgM型抗体(IgM抗HAV抗体)を測定することで,容易に短期間でA型肝炎の確定診断を行いうるようになったことでも明らかである.
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