増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
免疫学的検査
感染症関連検査
ウイルス抗原・抗体検査
A型肝炎ウイルス抗原・抗体
佐田 通夫
1
1久留米大学医学部第2内科
pp.498-499
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906442
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検査の目的・意義
A型肝炎は,衛生環境が改善された今日も散発性急性肝炎のなかで最も多くみられるウイルス性肝炎である.毎年の患者発生数は異なるが,冬から春先,すなわち11月頃から増加し,3月から4月をピークにした発生が知られている.最近の特徴は,罹患年齢の上昇とそれに伴う重症例の増加である.A型肝炎の予防にγ-グロブリンが用いられてきたが,不活化A型肝炎ワクチンが開発され,その予防効果も明らかにされ,ワクチンによる感染予防が可能になった.そこでわれわれは,A型肝炎ウイルス(HAV)の抗原,抗体を測定する目的や意義を十分に理解したうえで,抗原や抗体の測定を実際の臨床に役立てねばならない.
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