臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集
Ⅵ.血液検査
49.トロンビン時間(TT)
青木 延雄
1
Nobuo Aoki
1
1東京医科歯科大学・第1内科
pp.2206-2207
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219370
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トロンビン時間(以下TT),正確にいえばトロンビン凝固時間はトロンビンによる血漿の凝固時間を測定する方法であり,血漿中のフィブリノゲンが一定量のトロンビンにより,フィブリンに転換する反応速度を観察するものである.この場合,トロンビンは外より加えるわけで,検体それ自体のトロンビン生成能はこの検査には関与しない.したがって,TTに影響を与える因子としては,フィブリノゲンの質と量,フィブリノゲン・フィブリン転換を規制する血漿内部環境因子および阻害する因子,すなわち血漿のpH,血漿蛋白の変化,ヘパリン,ヘパリン様物質,フィブリン分解産物(FDP)の存在などがある.TTの延長は必ずしもPT,PTTの延長を伴わない.
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