今月の主題 胃・十二指腸潰瘍—その基礎と臨床のすべて
胃・十二指腸潰瘍の研究動向
並木 正義
1
Masayoshi Namiki
1
1旭川医科大学・第3内科
pp.2674-2677
発行日 1983年12月10日
Published Date 1983/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218794
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胃・十二指腸潰瘍の研究に進歩はあったか
胃・十二指腸潰瘍に関する最近の研究の進歩という題で書こうと思ったが,正直のところ進歩という言葉を使うのにためらいを感じ,動向とした.
消化性潰瘍の研究の歴史は古い.今世紀をふり返ってみても,いくつかの研究上のトピックスがある.実際に潰瘍の病態生理学,診断,治療などの面において,それぞれ研究への努力がなされてきたし,それなりの成果もあがっている.しかし,現在依然として潰瘍患者は減りそうにもないし,むしろ近年増加の傾向さえある.また再発防止の問題についてはいまだに手こずっている.こうした現状をみつめるとき,消化性潰瘍学の時代的歩みは感じられるが,明らかに進歩のあとがみられるとはちょっといえない.
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