今月の主題 気管支喘息—病態から治療まで
気管支喘息とアレルギー性呼吸器疾患
可部 順三郎
1
Junzaburo Kabe
1
1国立病院医療センター・呼吸器科
pp.574-577
発行日 1984年4月10日
Published Date 1984/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218974
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免疫学的手法の導入により,近年の呼吸器病学の進歩はまことにめざましく,ヒポクラテスの時代から知られた気管支喘息も,レアギン依存型アレルギーの代表的な疾患としてばかりでなく,より広い見地からの検討がすすめられている.過敏性肺臓炎やサルコイドーシスなどアレルギーと関連の深い肺疾患や喘息研究の新しい展開をもたらしたものとして,経気管支肺生検がルチン検査となり,安全かつ容易に組織所見を得ることができるようになったことや,気管支肺胞洗浄液(BALF;bronchoalveolar lavage fluid)の分析によって,病変の存在する肺胞領域のリンパ球,マクロファージなどを直接採取して,免疫学的に検討できるようになったことなどがあげられよう.
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