臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
VI.肝・胆道・膵疾患
問題となるケースの治療
120.黄疸例のかゆみの治療—とくにPBCの場合
上野 幸久
1
Yukihisa Ueno
1
1健保組合川崎中央病院(内科)
pp.2356-2357
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218661
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症例
46歳女性.健診にて肝機能異常を指摘され当院紹介となった.自覚症状として軽度の全身倦怠感と皮膚掻痒感を訴えていた.身体所見では黄疸(-),皮膚はやや乾燥し,胸背部に多数の掻爬創を認めた.肝・脾触知せず,腹水・浮腫(-).検査所見ではAST>ALTのトランスアミナーゼ値上昇,アルカリフォスファターゼ,IgMおよび空腹時・負荷後の胆汁酸高値を認めた.抗ミトコンドリア抗体陽性であった.肝生検にて原発性胆汁性肝硬変症の診断を確認しえた.外来にて経過観察中であったが,皮膚掻痒感が増強したため以下の処方を考慮した.
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