臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
III.呼吸器疾患
特殊な治療法
65.肺移植の現況と将来
新田 澄郎
1
Sumio Nitta
1
1東北大学抗酸菌病研究所・外科
pp.2216-2217
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218606
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1963年Hardyが慢性肺疾患を持つ肺癌患者の左肺を別出,屍体左肺を低温・換気下に90分の阻血時間で移植し,移植肺が生体内で機能を維持し治療目的に合致し得ることを報告して以来,術後18日移植肺葉を再切除した本邦報告例を含め,1980年までに39例の臨床報告がみられる5).手技的には1肺葉,1側肺,両側肺および心肺合併移植のいずれの方法もすでに用いられていたが,これらの症例中術後2カ月を経過し得た症例はわずかに2例のみで,腎移植成績に比し拒絶反応の抑制がきわめて困難とされてきたが,新しい免疫抑制剤の開発と拒絶反応検索法の進歩により,新しい展望がひらかれるにいたった3,4).
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