臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
II.神経・筋疾患
薬物療法のポイント
27.単純ヘルペス脳炎の新しい抗ウイルス剤による治療
高須 俊明
1
,
亀井 聡
1
,
田村 英二
1
Toshiaki Takasu
1
,
Satoshi Kamei
1
,
Eiji Tamura
1
1日本大学医学部・神経内科
pp.2126-2129
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218568
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単純ヘルペス脳炎(herpes simplex encephalitis,HSE)は,側頭葉を中心とする出血性壊死性脳炎であり,致死率50〜70%1,2)の重篤な散発性脳炎として知られてきた.米国では散発性脳炎の原因としては,最も多いものとされている.治療は,数年前まではIododeoxyuridine(IDU)3,4),Cytosine-arabinoside(Ara-C)5)が試みられてきたが,最近Adenine-arabinoside(Ara-A)およびAcyclovirによる治療が行われ,有効例や致死率の低下が報告されてきている7〜12.本稿では,HSEに対する新しい抗ウイルス剤治療を中心に述べ,診断にも適宜言及したい.
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