Japanese
English
外科の焦点
グラム陰性桿菌による術後感染症
Postoperative Infections due to Gram-negative Bacilli
石井 良治
1
,
石引 久弥
1
,
大井 博之
1
,
恒川 陽
1
,
中村 泰夫
1
,
内田 博
2
Yoshiharu ISHII
1
,
Hiroshi UCHIDA
2
1慶応義塾大学医学部外科学教室
2中検細菌科
pp.839-845
発行日 1965年7月20日
Published Date 1965/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203660
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はじめに
化学療法によつてもたらされた耐性菌問題と菌交代症は臨床上では感染症の病態の変貌と治療面における障害としてすでに注目されているところである.外科領域では優れた新抗生剤,特にペニシリナーゼの影響を受けにくい新合成ペニシリン群は耐性ブドウ球菌(ブ菌)感染症に対して威力を発揮していると云えよう.しかし,この反面現在までいわゆる弱毒性菌として臨床的に余り考慮されなかつた他の細菌のうちグラム陰性桿菌が次第に意義を持ち1)2),重篤な術後感染症を引き起こすケースが少なくない.われわれは術後感染症の検討を永年にわたり行なつて来ているが,最近術後に発生したグラム陰性桿菌敗血症を経験したのでこの問題の重要性を痛感している.そこで以下にわれわれの成績に基づいてグラム陰性桿菌による術後感染症の現況にいささか触れてみたいと思う.
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