今月の主題 血小板の臨床
血小板輸血
血小板輸血不応状態—その対策
長澤 俊郎
1
Toshiro Nagasawa
1
1筑波大学臨床医学系・内科
pp.1724-1725
発行日 1983年10月10日
Published Date 1983/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218478
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血小板輸血は急性白血病に代表されるごとく,骨髄が悪性細胞により占拠された場合,あるいは化学療法剤による骨髄抑制の場合などにみられる骨髄巨核球減少による血小板減少症に帰因する出血に対して有効である.一方,特発性血小板減少性紫斑症あるいは汎発性血管内凝固症候群などの血小板破壊あるいは血小板消費の亢進による血小板減少症に帰因する出血には,通常の方法では有効な止血効果は期待できない.
現在の血小板輸血はABO型適合random donorから採取された血小板を用いるため,HLA抗体などの血小板同種抗体の出現は必然の結果といえる.したがって,長期にわたり血小板輸血を施行された症例では,血小板同種抗体出現により,血小板輸血が無効となる場合が多く,止血管理上の重要な課題となる.
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