今月の主題 血小板の臨床
血小板輸血
血小板交差試験—手技とその臨床応用
雨宮 洋一
1,2
Yoichi Amemiya
1,2
1日本大学医学部・第1内科
2日本大学医学部・輸血部
pp.1722-1723
発行日 1983年10月10日
Published Date 1983/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218477
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血小板交差試験の臨床的意義
血小板減少症に対して頻回に血小板輸血を行うと,その効果は次第に減弱する.これは同種抗体のためと考えられ,敗血症などの重症感染症,肝脾腫,播種性血管内凝固症候群,大量出血などが存在せずに,血小板輸血1日後の回収率が2回以上続けて10%以下であれば,受血者が同種免疫による血小板輸血無効状態にあると推測できる.同種抗体の発生は,輸血される抗原量,回数および間隔,受血者の免疫状態,抗体の測定法などに影響されるが,白血病例では寛解導入療法の終了までに40〜50%,再生不良性貧血では80%にみられる.
血小板表面の抗原系には他の血球と共有するHLAおよびABOと,血小板特異抗原であるP1A1(Zw2),P1A2(Zwb),P1El,P1Ea,Koa,Kob,Duzoがある.しかし血小板特異抗原系の解析が十分でないことから,血小板輸血の適・不適合という問題ではあるものの,専らHLA抗原・抗体を中心に無効状態の検討がなされてきた.
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