増刊号 輸血検査実践マニュアル
各論
輸血副作用
非溶血性副作用
血小板輸血不応状態
石田 明
1
,
半田 誠
1
1慶應義塾大学病院輸血センター
pp.266-269
発行日 1997年6月15日
Published Date 1997/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903155
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血小板輸血不応状態とは
1.血小板輸血の効果
「血小板輸血の効果がなかった」という言いかたをよくする.日常臨床において,血小板輸血の効果は出血症状の改善度と輸血後の血小板数の変化(血小板増加量)という2つの面から判断することができる.出血症状の改善は血小板輸血の主たる目的であり,ベッドサイドで出血症状の変化を注意深く観察することが輸血の効果を評価するうえで大切であることは言うまでもない.しかし,出血症状には出血部位や出血創の状態,原病の状態や背景にある病態,凝固因子の欠乏などの血小板以外のさまざまな因子が複雑に絡んでおり,また消化管出血などでは出血症状の評価が難しい場合も少なくない.一方,輸血後の血小板増加量を評価すれば,輸血の効果について明確かつ確実に客観的な判断を下すことができる.
輸血後の血小板増加量のより客観的な指標として,補正血小板増加量(corrected count increment;CCI)が汎用されている.
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