グラフ NMR-CT
NMR-CTの頭部への応用(2)
池平 博夫
1
,
福田 信男
1
,
舘野 之男
1
Hiroo Ikehira
1
,
Nobuo Fukuda
1
,
Yukio Tateno
1
1放射線医学総合研究所・臨床研究部
pp.1568-1570
発行日 1983年9月10日
Published Date 1983/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218436
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前回はNMR-CTによる画像,とくに反転回復(inversion recovery,IR)法によって得られる画像は,軟部組織間のコントラストを強くつけることができるために,正常脳においても解剖学の教科書にある脳の断面の形態に近い像であり,各組織のT1時間の差によるものでIR法におけるパルス系列の緩和待ち時間(τ)を変えることにより,コントラストのつけ具合を調節することができるという特徴があることを紹介したが,この特徴を生かして,病巣からの信号が強くなるようにパルス系列の条件を選択することにより,造影剤を使用しなくとも病巣をあたかも造影されたように描出することが可能である.
また,アバディーン方式のNMR-CTシステムの特徴は,プロトン密度とIR法による信号からT1値を計算によって得ることができることにあり,T1画像は病的組織の変化を捉えるために再現性の良い有効な画像である.
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