今月の主題 肝硬変と肝癌
肝癌の画像診断—早期病変のみかた
血管造影
有山 襄
1
,
白田 一誠
1
,
島口 晴耕
1
,
須山 正文
1
Jo Ariyama
1
,
lssei Shirata
1
,
Seikoh Shimaguchi
1
,
Masafumi Suyama
1
1順天堂大学医学部・消化器内科
pp.1490-1493
発行日 1983年9月10日
Published Date 1983/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218417
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肝細胞癌のほとんどは腫瘍血管が豊富で,血管造影を行えば腫瘍濃染像を示す.したがって,血管造影は肝細胞癌の占居部位に関係なく,小さなものまで診断できる.肝細胞癌の血管造影所見は特異的なので,他の肝腫瘍との鑑別が高頻度に可能である.血管の解剖を詳しく表わすことができる検査法なので,肝切除を行う患者の術前検査としても重要である.また,血管造影の手技を利用して動脈塞栓,抗癌剤動注による肝細胞癌の治療もできる.このように,血管造影は肝細胞癌の診断と治療に重要な役割を果たす1).今回は小さな肝細胞癌の診断を中心に述べる.
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