今月の主題 肝硬変と肝癌
どのようなとき癌化を考えるか
アイソザイム
佐藤 清美
1
Kiyomi Sato
1
1弘前大学医学部・第2生化学
pp.1468-1470
発行日 1983年9月10日
Published Date 1983/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218412
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種々の臓器の癌(悪性腫瘍)の診断に,アイソザイムが"腫瘍マーカー"として利用されているが,数多くのアイソザイムの癌性変化に関する基礎的知見が1-4),大部分肝(臓)癌について得られたものであるにもかかわらず,臨床的に活用されているアイソザイムは数種に限られ,それらも早期診断には十分役立っていないのが現状のようである.本稿では,まず,実験(動物)肝癌を含めた肝癌組織そのものにおけるアイソザイム変化の特徴を概説し,ヒト肝癌マーカーとしての可能性と限界や問題点を,臨床的に活用されているアイソザイムを中心に論じたい.なお,基礎研究者から眺めた,多少希望的問題提起としてお読みいただきたい.
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