増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集
血液化学検査
137.LDHアイソザイム
菅野 剛史
1
1浜松医科大学・検査部
pp.1962-1963
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222826
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乳酸脱水素酵素(EC1.1.1.27:LDH)は,2つのHおよびMのサブユニットからなる4量体である.したがって,5つのアイソザイムが存在し,それぞれの臓器・組織によってそのアイソザイム含量が異なることから,臨床的には損傷臓器の推定にアイソザイム分画を用いることとなる.この血清LDHアイソザイム分画を損傷臓器の推定に用いる場合に,2つの問題点がある.1つは,アイソザイム分画の似ている臓器が存在することと,2つは,各アイソザイムの血清での半減期が異なるために血中へ遊出してからパターンの修飾を受けることである.
はじめの問題点は,「136.乳酸脱水素酵素(LDH)」の項(p1960)で述べたLDH/AST比を組み合わせることで臓器推定を確実にすることができる.また,後者は,半減期による修飾を考慮してアイソザイムパターンを評価することで,損傷臓器の推定はより確実とすることができる.
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