Senior Course 生化学
GOTアイソザイム
石戸谷 豊
1
1東北大・中検
pp.617
発行日 1971年6月15日
Published Date 1971/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907234
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1.GOT-mとGOT-s
GOTは動物組織に最も広く分布し,臨床的にも数多く研究されてきた代表的酵素である.最近に至り,細胞内局在を異にするmitochondrial GOT(GOT-m)とcytoplasmic GOT(GOT-s)の2種類のアイソザイムが存在することが明らかにされ,その病態生理学的意味の解明がすすみつつある.
動物の肝や心を材料として,硫安分画,遠心沈殿,クロマトグラフィーなどを巧みに組み合わせて抽出するとGOT-mとGOT-sをほぼ単一な酵素として分離することができる.表に牛肝より精製したGOT-sとGOT-mの性質を和田らの成績1)を引用し,さらに著者の経験を追加し一括して示した.基質に対するKmの差はGOTアイソザイムの基本的性質の差の1つであり,その細胞内機能の分担に大きな意味を有するものと考えられている.
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