日常検査の基礎技術
アイソザイム
関 知次郎
1
1名市大中検
pp.209-216
発行日 1975年2月15日
Published Date 1975/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908885
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アイソザイムの分別には,いくつかの方法がある.その中でどれを選ぶかを決める際に最も大事なことは再現性と定量性とである.つまり,ある疾患,病態と結びついたアイソザイム・パターンが常に得られ,またその程度に応じた分画比が得られれば,そのアイソザイム測定には,臨床検査としての価値が生じてくる.そのためには,アイソザイムを泳動だけではなく,他の方法とも組み合わせて検索していくことも必要になることも多い.
機能的方法としたものには,アイソザイムによって本来的に差のある場合となんらかの処理によって分ける場合とをいっしょに示してある.高濃度の乳酸中でも活性を持つLDHなど合目的性をもつものもあるが耐熱性(56℃15分)のAl-Pは,偶然そうなっているのかもしれない.しかし区別する方法があれば,その違いの成因につきあまり気にする必要はなく利用すればよいのだが,アイソザイム以外の原因で差を生じる場合もあるので,その点だけは注意しておかなくてはいけない.
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