グラフ 臨床医のための電顕写真
血液・1
急性骨髄性白血病
小川 哲平
1
Tetsuhei Ogawa
1
1慶応義塾大学医学部・内科
pp.794-797
発行日 1983年5月10日
Published Date 1983/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218277
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急性白血病の分類は,French-American-Britisch Cooperative groupにより,いわゆるFAB分類が提唱され,広く用いられるようになってきた.急性骨髄性白血病は,このFAB分類ではM1,M2の2型に分けられている.M1はmyeloblastic leukemia without maturationと定義され,芽球は顆粒がないか,あるいは数個の顆粒,アウエル小体を有することがある.ペルオキシダーゼ反応は,芽球の3%以上に陽性である.M2はmyeloblastic leukemia with maturationとされ,前骨髄球を越えて成熟するとされている.
急性骨髄性白血病の電顕所見は,骨髄芽球および前骨髄球で占められる白血病細胞がみられる.核は類円形またはゆるやかな弯入を示すことが多く,時に深い切れ込みを示す.核質はほぼ均質で,核縁のクロマチンの濃縮はなく,明瞭な核小体が認められる.細胞の辺縁は比較的に平滑であり,細胞質には豊富なポリゾームが存在する.ミトコンドリア,粗面小胞体,ゴルジ装置の発達は,症例や細胞によりかなりの差異がみられる.
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