グラフ 臨床医のための電顕写真
血液・4
急性リンパ球性白血病とペルオキシダーゼ急性白血病
小川 哲平
1
Tetsuhei Ogawa
1
1慶応義塾大学医学部・内科
pp.1342-1346
発行日 1983年8月10日
Published Date 1983/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218393
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
急性リンパ球性白血病(acute lymphoblastic leukemia,ALL)は表面マーカー,モノクロナール抗体,terminal deoxynucleotidyl transferase(TdT)などによる免疫学的な検索が近年急速に発展し,その分化成熟段階による解析が進みつつある.
一方FAB分類では,急性白血病において,ペルオキシダーゼ反応が,芽球の3%未満の場合にALLと規定している.これは急性白血病患者の骨髄でも,正常な骨髄芽球が3%程度は存在するであろうという理解に基づいている.ALLはL1,L2,L3の3型に分類される.L1は小児に多く,common ALLによくみられる.細胞の大きさが小リンパ球の2倍位までの小細胞性で,核の型は比較的に整っていて,核小体はあっても小型で不明瞭である.細胞質は少なく,好塩基性が弱い.このような細胞が比較的均一に存在することが特徴である.L2は小リンパ球の2倍以上の大型の細胞で,核の形は不整で,核構造は微細なものが多い.核小体は存在し明瞭である.細胞の大きさや核の形に多様性がみられるのが特徴である.L3(Burkitt type)は大型の細胞で均一性があり,B細胞である.核の形は整って,核小体がある.好塩基性の強い豊かな細胞質を持ち空胞が目立つ.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.