今月の主題 膵疾患診療のトピックス
生化学的診断法
膵癌の腫瘍マーカー—RNaseを中心に
大山 公三
1
,
斉藤 達也
1
,
小池 台介
1
,
建部 高明
1
Kimizo Oyama
1
,
Tatsuya Saito
1
,
Daisuke Koike
1
,
Takaaki Tatebe
1
1旭川医科大学・第2内科
pp.562-563
発行日 1983年4月10日
Published Date 1983/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218217
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膵疾患に対する診断法のめざましい進歩にもかかわらず,膵癌の切除率は現在なお20〜30%と低率である.この現状を打破するためには,切除可能な比較的早期に膵癌をスクリ-ニングする診断体制の確立が必要である.
膵癌に関しては,原発性肝癌におけるα-faetoproteinに匹敵する有力な腫瘍マーカーは存在しないが,現在検討されつつあるマーカーとしては,CEA,ferritin,pancreatic oncofetal antigen,RNase(ribonuclease),α-antitrypsin,β2-microglobulin,immunosuppresive acidic protein,筋肉型aldolase,galactosyltransferase IIなどがあげられている.臨床上,これらのマーカーとamylase,lipase,trypsin,elastase Iなどの血中膵酵素を同時に測定することが推奨されている.
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