今月の主題 膵疾患診療のトピックス
生化学的診断法
血清膵酵素誘発試験—膵特異性に関する考察
須賀 俊博
1
,
村島 義男
1
Toshihiro Suga
1
,
Yoshio Murashima
1
1札幌厚生病院・消化器内科
pp.560-561
発行日 1983年4月10日
Published Date 1983/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218216
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血中膵酵素は健常者では一定レベルにあり,膵疾患ではそれが変動することが知られている.しかし膵の慢性疾患では有意義な変動をみることが少ないため,分泌刺激を与えて膵酵素を血中に逸脱させ,血中膵酵素の上昇を誘発して診断に役立てようとするのが,この試験の原理である.
血清膵酵素誘発試験は,膵疾患の診断法としては補助的な検査法であるとの認識が一般的であろう.その最大の理由は,膵酵素として一般に測定されているアミラーゼの膵特異性が低く,膵以外の疾患での陽性率が高いということと,他の検査法で膵疾患と確診されたものの誘発陽性率が低いということである.
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