講座 臨床薬理学 薬物療法の考え方・16
肝障害時の薬物投与法—肝クリアランスの概念と肝疾患時の薬物投与法の原則
中野 重行
1
Shigeyuki Nakano
1
1愛媛大学医学部・薬理学
pp.495-502
発行日 1983年3月10日
Published Date 1983/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218203
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生体内に投与された薬物は,時間の経過に伴って除去されていく.この際,投与された薬物がほとんどそのままの形で腎臓から尿中へ排泄されることもあるが,生体内で主として肝臓において代謝されるという過程をへる薬物が多い.したがって,肝疾患時には薬物の代謝が何らかの影響を受ける可能性があり,合理的薬物療法を志向するためには,薬物投与設計に工夫をこらす必要も生ずることになる.
ではいったい肝疾患の中でもどのような病態像のときに,またどのような薬物の場合に投与設計に工夫をこらす必要が生ずるのであろうか.今回は,肝疾患時における薬物投与設計を考えていく上で必要な事項をとりあげることにする.
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