アメリカの医療 Via Air Mail
スタンフォード大学小児科における診療と教育(3)
辻本 愛子
Aiko TSUJIMOTO
pp.474-477
発行日 1983年3月10日
Published Date 1983/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218199
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うらやましい合理的システムと高い給料
強い日本への関心 スタンフォードにはじめてやってきて驚かされたのは,決して東洋人の顔がめずらしくないことである.中国人,韓国人,日本人さらに東南アジアの人々と,ここカリフォルニアには多くの東洋人が居住しており,その割合たるや20〜30%にも及ぶかと思うほどで,とくにその勤勉さが尊ばれるのだろうか,Stanford Medical Centerの秘書やテクニシャンには非常に東洋人が多い.*東洋人の中ではもちろん,中国系の人々が圧倒的に多いのだが,よく知られているように,カリフォルニアには多くの日本入,日系人が住んでいる.戦前,戦後をとおして,日本より移り住んできた多くの日系の人々がアメリカに根づいており,すでに3世,4世の時代になろうとしているが,今もその生活の中に日本の文化をそこかしこに残している. *また最近の日本ブームもあり,日本文化に対するアメリカ人の興味は非常に旺盛で,とくに日本食への関心が高く,スタンフォード付近にある日本食レストランなどはなかなかのにぎわいをみせている.お蔭で米国滞在中の私たち日本人は苦労せず日本食を楽しむことができ,食べ物に関してのホームシックは解消される. *永くアメリカに住んでみてわかることだが,日本人の食生活はアメリカの人々のそれよりずっと豊かである.もし日本食の全然手に入らないアメリカ滞在生活を強いられたら,それだけでうつ状態になっでしまうかもしれない.
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