アメリカの医療 Via Air Mail
スタンフォード大学小児科における診療と教育(2)
辻本 愛子
Aiko Tsujimoto
pp.316-319
発行日 1983年2月10日
Published Date 1983/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218161
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Medical Centerの研究テーマは臨床の中から
スタンフォード大学の近くは先頃スパイ事件でにぎわせたシリコンバレーと呼ばれる地域で,アメリカでも有数のbrainの結集したところである.IBM,ヒューレットパッカードなどのコンピュータ会社,シンタックスやジェネンティックスといった生物学や遺伝学を扱う企業,その他種々の大企業がこのシリコンバレーに居を構えている.シリコンバレーのほとんどがもともとスタンフォード大学所有の土地で,スタンフォード大学自身,これらの企業に土地を貸し収益を得ているわけであるが,またそのスタッフの交流も激しく,企業の人材が多くスタンフォード大学から供給されている.
研究中心のMedica Centerこの土地柄を反映してか,スタンフォードのmedical centerでもどちらかというと臨床というよりはむしろ,研究に力を注いでいる傾向が強い.スタンフォードのまわりは高級住宅地域でhigh social statusの人が多く住んでいることもあり,臨床的に興味深い症例が入院してくることはむしろ少ないといえる(アメリカの医療はさまざまなsocial status,ethnicな問題を抜きにしては語れない).
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