今月の主題 癌治療の最前線
集学的治療
癌性心嚢炎
富永 慶曙
1
,
新海 哲
1
Keigo Tominaga
1
,
Tetsu Shinkai
1
1国立がんセンター病院・臨床検査部生理検査室
pp.1058-1059
発行日 1982年6月10日
Published Date 1982/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217804
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悪性腫瘍による心嚢炎としてはmesotheliomaやその他の心嚢原発のものと,他の臓器の癌の転移,浸潤によるものがある.しかし,頻度としては後者のほうが圧倒的に多く,したがって本稿も転移,浸潤による癌性心嚢炎について述べたい.
癌性心嚢炎の多くの場合は,他の種々の臓器にも同時に転移を有している末期癌である場合が多い.それゆえ的確な臨床診断がなされえぬ場合もあるが,癌性心嚢炎による心タンポナーデが致死的であることを考えれば,その診断と治療は重要である.
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