今月の主題 癌治療の最前線
免疫療法
インターフェロンの抗腫瘍性
雨貝 孝
1
,
岸田 綱太郎
1
Takashi Amagai
1
,
Tsunataro Kishida
1
1京都府立医科大学・微生物学
pp.1018-1020
発行日 1982年6月10日
Published Date 1982/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217789
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1975年,New YorkでCantellらの生産したヒト白血球インターフェロン(IFN)を,Stranderが骨肉腫の患者に原発巣の外科的処置の後,肺転移抑制の目的で試用し有効であることが報告され,一躍IFNの抗腫瘍剤としての効果が世界の注目を集めるに至った.IFNは,1954年長野,小島によって,1957年IsaacsとLindermannによって発見された.「細胞に非特異的ウイルス抵抗性を誘導する蛋白ないし糖蛋白」である.IFNの抗腫瘍効果研究の出発点は,ウイルスで誘発された腫瘍に対して,抗ウイルスで作用をもつIFNが有効ではないかという点にあった.現在,多種多様な腫瘍患者にIFN治療が試みられつつあるが,その現状の概略と考えられるIFNの作用のメカニズムについて述べてみたい.紙数の関係で,文献1)(石田らの項)および2)を参照されたい.
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