今月の主題 狭心症とその周辺
狭心症の種類
不安定狭心症
木全 心一
1,2
Shin-ichi Kimata
1,2
1東京女子医科大学
2日本心臓血圧研究所・内科
pp.602-603
発行日 1982年4月10日
Published Date 1982/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217700
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狭心症という1つの立体的広がりをもった疾患を,どの断面で切るかによって分類が異なってくる.最も一般的なのは,労作によって分ける分類で,労作狭心症と安静狭心症に分けられる.この分類の基礎には,心筋酸素消費量の増加があるか否かがあるが,朝の洗面とか排便という日常動作で生ずるのを,どちらに入れるか議論がある.
また,冠状動脈造影の普及により,冠状動脈の器質的狭窄とスパスムという,狭心症の発生機転より分けようとする立場もある.この立場から一歩踏み出して,労作狭心症と安静狭心症にそのまま,器質的狭窄と,スパスムをかさねようとすると無理がでてくる.労作狭心症の多くは,同じ程度の労作でも朝に頻発する.これは朝は冠状動脈のトーヌスが亢進している可能性を示唆している.
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