今月の主題 内科エマージェンシー
疾患からみた内科エマージェンシー
循環器疾患
不安定狭心症
相澤 忠範
1
1心臓血管研究所・内科
pp.1182-1183
発行日 1989年7月10日
Published Date 1989/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222565
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不安定狭心症は,急性心筋梗塞への移行,突然死の危険性を考慮した臨床経過を重視した分類であり,新規労作狭心症,症状変化型狭心症および新規安静狭心症の3つの亜型に分類される.不安定化の要因としては,①冠動脈硬化病変の進展,②粥腫崩壊や出血,③冠動脈内血栓形成,および④冠動脈攣縮などがあげられるが,これらはとりもなおさず急性心筋梗塞の発生要因としても知られている.不安定化の要因を明らかにし,それに基づいて適切な治療を行うことは,急性心筋梗塞への移行を防止する上できわめて重要であるが,ベッドサイドでの検査所見から判断することは容易ではない.
本稿では内科エマージェンシーが主題であるので,薬物治療抵抗性の症例について,その急性期治療を中心に述べる.
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