今月の主題 狭心症とその周辺
狭心症の種類
安定狭心症の予後
加藤 和三
1
Kazuzo Kato
1
1心臓血管研究所付属病院
pp.604-606
発行日 1982年4月10日
Published Date 1982/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217701
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狭心症は種々の観点からいろいろに分類されているが,近年は主として症状の安定性,進行性に基づく安定狭心症/不安定狭心症の分類が広く行われている.すなわち,狭心症のうち最近3〜4週間以内に新規に発症,再発ないしは症状の増悪をみたものを不安定狭心症とし,それ以外の安定した状態にあるとみなされるもの(安定狭心症)と対比する立場である.
この分類は心筋梗塞の発生,急死の危険の大きい状態にあるものを,そうでないものと区別することを目的としており,後者である安定狭心症の予後は当然のことながら,不安定狭心症のそれより良好とみられる.しかし,一口に安定狭心症といってもその重症度,冠動脈障害の程度には大きな幅があり,それによって経過・予後に差を生じる.また合併症,危険因子や治療の適否,さらにA-Cバイパス術などによっても大きく左右される.
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