今月の主題 感染症と免疫
非特異的防御機構
オプソニンなどの血清因子
大国 寿士
1
1日本医科大学・微生物学免疫学
pp.225-227
発行日 1982年2月10日
Published Date 1982/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217619
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生体に侵入した異物を,細胞が摂取することにより,この異物に対する生体の防御が成立するとしたMetchnikoffの卓越した認識に基づき,感染防御における食作用(phagocytosis)の重要性にその理論的根拠が与えられ,また細胞性免疫の概念に対する基盤が確立された.そして食作用の反応機構は,基本的には異物に対する食細胞(phagocytes)の認識に深く関わっているであろうという考えへと発展した.確かに食細胞は直接ないしは間接的にselfとnon-selfあるいはselfとeffeteself(変化した自己組織)を認識し,その認識機構は生物学的にきわめて重要な問題をはらんでいるが,そのメカニズムスの全貌はいまだ十分に明らかにされていない.
一方,感染防御に対する生体の反応は,非特異的ならびに特異的の2つに大別され,前者はとくに先天免疫ないしは自然免疫(innate immunity of natural immunity)とも呼ばれるが,この免疫機構の成立には多くの因子が参加しているようにみえる.
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