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小脳medulloblastoma,他
Skeleltal metastases from cerebellar medulloblastoma.,他
Corrin, B.
,
Meadows, J. C.
pp.1072
発行日 1967年11月1日
Published Date 1967/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202302
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小脳medulloblastomaが全身転移をまねきうることはすでに古くから知られていたが,確実な剖検報告はきわめて数少ない。剖検のないレ線学的所見のみの報告は,確実性が疑われているのが多い。こうした状態に対しWeiss (Cancer 8:161, 1955)の4カ条のcriteriaは原病巣と転移との正しい関係を判定するものとしてひろく信類されている。著者の20歳男子の症例はこのcriteriaを満足せしめる,確実な頭蓋外転移と思われる。悪心,後頭痛,歩行不全を1ヵ月来訴えて来院,うつ血乳頭,左小脳症状,眼振などあり,後頭蓋窩腫瘍の診断で開頭術。左小脳半球の大部分を占め脳幹に達する腫瘍。肉眼的には根治的に切除。術後,後頭蓋窩照射。症状まつたく去る。9ヵ月後腰痛生じ右大腿へ放散す。髄膜播種を疑い,脊髄照射。約1年軽快つづく。そこでテニス中に突然,同部に冬痛生ず。腰椎間板ヘルニアの状。牽引で軽快。数ヵ月後可発し以後,臥床状となる。諸検査でT11-12の閉塞,T7椎体および寛骨臼の破壊硬化巣,3ヵ月後死亡。手術標本は典型的medulloblastoma。剖検,左小脳は壊死におちいつた腫瘍組織を混じ,第4脳室は出血巣で閉塞,3・4脳室は腫瘍組織充満。脊髄下部,馬耳は腫瘍にうずまる。T7および寛骨臼にそれぞれ2cm大の硬化巣。これらのうち,小脳部位の組織は手術標本とまつたく一致する組織像。骨病巣は細胞に富み骨形成が活発で,原発巣と必ずしも一致しないがmedulloblastomaである。これはanaplasiaの程度の差と解される。
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