臨時増刊特集 臨床医のためのCTスキャン
後頭蓋窩腫瘍
小脳半球腫瘍(Astrocytoma, Hemangioblastoma and Metastasis)
pp.2083-2085
発行日 1981年11月20日
Published Date 1981/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217446
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小児期の星細胞腫(astrocytoma)の好発部位で,一側小脳半球に限局するものが最も多いが,場合によっては虫部に浸潤し両側半球に拡がることもある.充実性腫瘍は等吸収値ないし高吸収値を示し,約半数で増強効果がみられる.約半数弱では低吸収値の嚢胞性成分を伴い,このような場合には壁在結節の部分あるいは嚢胞壁にそって増強効果を生ずる(図14).
成人では血管芽細胞腫(hemangioblastoma)や転移性腫瘍(metastasis)が小脳半球に生ずるが,前者は星細胞腫との鑑別が困難なことが多く,最終的には血管撮影を欠かすことはできない(図15).病巣が多発性であったり原発巣の存在の知られている場合には転移性腫瘍という質的診断が容易であるが(図16),孤立性病巣の場合にはきわめて困難となる.
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