臨床講座=癌化学療法
制癌剤感受性試験
井上 雄弘
1,2
,
小川 一誠
1,2
Katsuhiro INOUE
1,2
,
Makoto OGAWA
1,2
1癌研究会付属病院・化学療法科
2癌研究会付属病院・癌化学療法センター臨床部
pp.1771-1774
発行日 1981年10月10日
Published Date 1981/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217373
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制癌剤感受性試験は,制癌剤スクリーニングを目的とする場合と,文字通り個々の患者に対する制癌剤適応決定のための感受性テストとして用いられる場合の2とおりがある.本章では,後者について記述する.
現在,日常臨床において制癌剤として繁用されている薬剤は約30種類あるが,各種の癌に対するその有効率はせいぜい30%前後である.そして,癌の臨床医にとって個々の患者に対する適切な制癌剤の選択は,患者の予後を直接左右する問題であるために,その重要さは外科医のメスさばきに匹敵するとさえいえよう.制癌剤選択のために,従来より各種の制癌剤感受性試験が試みられてきているが,いまだに十分な臨床効果との相関を示すものは少ないといえる。本稿では,いままでの制癌剤感受性試験について解説するとともに,最新の感受性試験としての信頼度が高いin vitroコロニー法(human tumor clonogenic cell assay)について紹介する.
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