今月の主題 ウイルス肝炎のトピックス
慢性B型肝炎の治療
免疫賦活療法
井上 恭一
1
,
佐々木 博
2
Kyoichi INOUE
1
,
Hiroshi SASAKI
2
1富山医科薬科大学医学部・第3内科
2富山医科薬科大学医学部・内科
pp.1564-1565
発行日 1981年9月10日
Published Date 1981/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217327
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慢性肝炎に対しては古くから,コルチコステロイド剤(以下CS剤),アザチオプリン(以下AZ),6MPなどの免疫抑制剤が多用され,これらの薬効に関しては欧米ではcontrolled trialによりその有効性は確認されている.しかし慢性肝炎の一部の症例では,これらの免疫抑制により病勢をコントロールできない場合があり,かかる際には同じ免疫療法剤のなかでも免疫賦活剤あるいは免疫調節剤の投与が試みられている.ここでは免疫賦活剤のなかでも代表的な薬剤と考えられるD-ペニシラミン(以下D-Pen)の作用機序および投与法について述べ,D-Penのほか最近リウマチ性関節炎(以下RA)にしばしば投与が試みられているレバミゾール(Levamisole),free radicalscavengerとしてのシアニダノール〔(+)-Cyanidanol-3〕の慢性肝炎への投与の可能性,および免疫賦活療法の中で特異な位置を占めるトランスファー・ファクター(以下TF)の有効性についても述べる.
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