臨床免疫学講座
免疫抑制療法と免疫賦活療法
堀内 篤
1
Atsushi HORIUCHI
1
1近畿大学医学部・第3内科
pp.2340-2344
発行日 1980年12月10日
Published Date 1980/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216970
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
免疫療法は免疫抑制療法immunosupPressive therapyと免疫賦活療法immunopotensiative therapyに大別されている.前者は異常に亢進した免疫能を抑制することを目的とした治療であり,後者は低下した免疫能を賦活させることを目的とした治療である.しかし,一般に免疫療法という言葉は主に後者をさしている場合が多い.最近,亢進している免疫能を抑制し,低下している免疫能を上昇させるという免疫調節剤immunomodulatorとよばれる薬剤が注目されており,新しく免疫調節療法という言葉が用いられるようになった,免疫調節療法には大部分の免疫賦活剤が含まれることになるが,広い意味では免疫抑制療法も調節療法ということになる.薬剤投与によって免疫能が抑制されたか,増強されたかを知るには,先月号で述べたような免疫能検査によるわけであるが,これらの結果が必ずしも臨床症状と一致しないため,効果の判定がむずかしいことがある.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.