今月の主題 最新の肺癌診療
最新の治療
小細胞癌の治療
近藤 英樹
1
,
西條 長宏
2
1国立がんセンター病院・内科
2国立がんセンター病院・研究所薬効試験部
pp.454-460
発行日 1991年3月10日
Published Date 1991/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909615
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ポイント
1)様々な試みにもかかわらず,現在小細胞癌の治療成績はプラトーに達している.
2)小細胞癌では,標準的治療が確立されており,前治療のない症例に対する新抗癌剤のphase II studyには倫理上困難な側面がある.
3)多剤併用化学療法として,従来CPA,ADM,VCR併用によるCAV療法が標準的治療法とされてきたが,最近CDDP, VP-16によるPVP療法がこれに変わりつつある.
4)非交叉耐性化学療法は,理論的には魅力的な方法であるが,現状ではまだこれに価する化学療法の組み合わせは見つかっていない.
5)化学療法におけるdose-intensityを増強させる方法として,intensive multidrug weekly chemotherapyが試みられており,優れた治療成績を挙げている.
6)化学療法と併用する放射線療法の方法として,最近concurrent法と,hyper-fractionation法が注目されている.
7)CRないしgood PRの得られた症例に対してPCIが考慮されるが,現時点ではPCIの意義は確立されていない.
8)pNO例の切除成績は良好であるが,手術療法の小細胞癌治療における意義は確立されていない.
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