臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
XV.小児疾患
ウィルムス腫瘍 VS 神経芽腫
細谷 亮太
1
Ryota HOSOYA
1
1聖路加国際病院・小児科
pp.2194-2195
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216937
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なぜ鑑別が問題となるか
この両者は小児期とくに幼児期に多くみられ,悪性の固型腫瘍であること,腹部腫瘤を主徴とすることが多く,治療法と予後に差があることなどの点で鑑別診断上,お互いに重要なかかわりあいをもっている.欧米においては発生頻度が両者ともほぼ同じで,あまり鑑別の指標とはならないとされているが,わが国の統計では神経芽腫の発生頻度が明らかに高い.両者の大きな違いのひとつは,ウィルムス腫瘍が,非常に稀な腎外性ウィルムス腫瘍を除けば,すべて腎原発の腹部腫瘤として発症するのに,神経芽腫が腹部腫瘤として発症するのは,全体の50〜60%のみという点である.
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