臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
XV.小児疾患
胸腺肥大 VS 縦隔腫瘍
赤塚 順一
1
Jun-ichi AKATSUKA
1
1東京慈恵会医科大学・小児科
pp.2192-2193
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216936
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鑑別すべき要点
幼小児期では胸腺肥大を呈する患児にはしばしば遭遇し,胸部X線撮影で,その像は胸部中央陰影に一致して出現することが多いので,縦隔腫瘍との鑑別診断は臨床上きわめて重要な課題の1つである.胸腺肥大は悪性のものでない限り放置していても加齢とともに徐々に縮小して問題は解決するが,一方,小児の縦隔腫瘍は悪性腫瘍由来のものが多いので,初診時の診断が急務となる.
この際,胸腔内腫瘍であるため,身体の他の部位と異なって簡単に生検というわけにはゆかないので,それだけ診断は困難といえる.
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