臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
XV.小児疾患
血管性紫斑病 vs ITP
西村 昂三
1
NISHIMURA KOZO
1
1聖路加国際病院・小児科
pp.2188-2189
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216934
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なぜ鑑別が問題となるか
両者とも小児に比較的しばしばみられる疾患であるが,ともに紫斑病なる病名でよばれるため混同されやすい.血管性紫斑病はSch6nlein-Henoch紫斑病,アナフィラキシー様紫斑病,アレルギー性紫斑病ともよばれ,免疫機構の関与した血管炎症候群のひとつで血液疾患ではない.一方,ITP(Idiopathic thrombocytopenic purpura特発性血小板減少性紫斑病)は血小板減少を主徴とする血液疾患で,急性型と慢性型がある.血管性紫斑病にも何年にもわたり発疹(紫斑)の出没をくり返す慢性型のものもあるが,きわめて稀で,また腎合併症を起こしたものの中に慢性の腎症状を示すものもある.
これら両紫斑病の発疹の形態は鑑別上重要で,通常は視診だけでも鑑別可能のことが多い.
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