今月の臨床 帝王切開
合併症妊娠と帝王切開
17.特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
雨宮 章
1
Akira Amemiya
1
1聖マリアンナ医科大学横浜西部病院産婦人科
pp.689-691
発行日 1992年6月10日
Published Date 1992/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900889
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特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic throm—bocytopenic purpura:ITP)は小児期発症の急性型を除くと20〜40歳の女性に多く発症する。このため妊娠との合併も稀れではなく,妊娠中の血小板減少による出血傾向が問題となり,その取り扱いには充分な注意が必要である。
血小板減少の主な原因は血小板寿命の短縮にある。免疫グロブリンG(platelet associated immu—noglobulin G:PAIgG)が血小板に付着すると,その血小板は脾,肝などの網内系でマクロファージによって捕捉・貪食されて血小板数は減少する。このようにITPは自己免疫疾患の一つとして考えられており,血小板数10×104/μl以下で血小板減少症と診断される。
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