今月の臨床 計画妊娠—合併疾患への対応
血液疾患
16.特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
齋藤 良治
1
,
中村 幸夫
1
Yoshiharu Saito
1
,
Yukio Nakamura
1
1弘前大学医学部産科婦人科学教室
pp.1280-1282
発行日 1991年11月10日
Published Date 1991/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900614
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ITPとは,血小板減少をきたす原疾患や遺伝的要因が認められず,骨髄での血小板産生に障害がなく,末梢での血小板破壊が亢進しているものをいう。その発症機序は,血小板膜抗原に結合した自己抗体(IgG)が,そのFC receptorで網内系(マクロファージ)に取り込まれるためと考えられている。ITPの頻度自体はそれほど高くはないが,若年婦人に好発するため妊娠合併も多く,産科医が遭遇しやすい血液疾患のひとつである。
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