臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
VII.神経・筋疾患
多発性硬化症 VS 視神経脊髄炎,急性散在性脳脊髄炎
濱口 勝彦
1
Katsuhiko HAMAGUCHI
1
1埼玉医科大学・神経内科
pp.2014-2015
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216856
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なぜ鑑別が問題となるか
多発性硬化症(MS),視神経脊髄炎(Devic病),急性散在性脳脊髄炎(ADEM)は,いずれも脱髄疾患に属するものであり,とくにMSとDevic病の鑑別ないし異同は,本邦の脱髄疾患の歴史の上でも大きな問題となってきた.すなわち,本邦ではMSよりDevic病のほうが多いという意見,あるいはDevic病はMSの一型にすぎないという意見である.現在Devic病はMSの一部と考えられ,この両者の鑑別は疾患単位としての鑑別ではなく,MSの中の特徴ある臨床像を示すものという意味にすぎない.
MSとADEMとの鑑別は予後に関連して重要で,MSでは通常再発をみるが,ADEMでは一旦寛解をみれば再発はほとんどない.
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