臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
VII.神経・筋疾患
パーキンソン病 VS 動脈硬化性パーキンソニズム
東儀 英夫
1
Hideo TOHGI
1
1東京都養育院付属病院・神経内科
pp.2010-2011
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216854
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動脈硬化性パーキンソニズムとは
パーキンソニズムを呈する疾患としては,特発性パーキンソニズム(パーキンソン病)と,二次性のパーキンソニズムがある.後者には,脳炎後のパーキンソニズムや種々の中毒によるもののほか,動脈硬化性パーキンソニズムがある.
動脈硬化性パーキンソニズムとは,臨床的にパーキンソニズムを呈し,病理学的に大脳基底核に小梗塞巣が認められ,脳の血管性病変がパーキンソニズムの臨床症状と関係があると考えられるものをさす.黒質の神経細胞が中等度に減少しているが,パーキンソン病におけるほど著しい減少は示さない.同様の病理所見を有する例で仮性球麻痺を呈する例があるが,パーキンソニズムに著しい仮性球麻痺症状を同時に伴う例は,動脈硬化性パーキンソニズムとは別個に扱う必要があろう.
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