今月の主題 膵と胆道疾患
画像診断法とその限界
膵・胆道疾患における血管造影
平松 京一
1
Kyoichi HIRAMATSU
1
1慶応義塾大学医学部・放射線診断部
pp.1356-1362
発行日 1980年9月10日
Published Date 1980/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216668
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膵ならびに胆道系は互いに密接な関係にあり,画像診断を施行するにあたっては,両者を切り離して考えることはむずかしい.とくに膵頭部では,総胆管下部との位置的関係,血行支配の密接さからみても,血管造影診断は常にこの両者の疾患を念頭において行われなければならない.
膵・胆道の診断上最も重要と考えられるものはやはり癌とその鑑別診断である.しかし一般に,膵癌ならびに胆管癌はともに腫瘍血管に乏しく,血管造影診断の役割は,経静脈性胆嚢造影,経皮経肝胆道造影(PTC),逆行性膵・胆管造影(ERCP)などの所見を十分に把握した上で,さらに最近とくに発達したCTスキャンや超音波診断などの所見を参考にして,これらの画像からは得られない情報を引き出すことにあると考えられる.
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