今月の主題 血栓とその臨床
血栓の放射線診断
血管造影
成松 芳明
1
,
平松 京一
1
1慶大放射線診断部
pp.838-841
発行日 1979年6月10日
Published Date 1979/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402215911
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はじめに
血栓症においては血管の狭窄・閉塞の部位,範囲,run-off,側副血行路の有無を知り,血行障害の程度を診断することが,外科手術の適応の有無などの治療方針の決定に重要である。血管造影は血管内腔の状態を知ることができ,血栓症の診断には最も有効な手技である.
Seldinger法による血管造影が普及した今日では,全身の血管の選択的造影が容易に行えるようになり,末梢動脈血栓症をはじめ,脳血栓塞栓症,冠動脈閉塞症,肺塞栓症などの疾患にも明瞭な血管造影像が得られるようになった,また門脈系においても,血管拡張剤を併用した薬理学的上腸間膜動脈造影によって血行動態を明瞭に描出することが可能である.今回は,末梢動脈血栓症と静脈血栓症を中心に血管造影の診断の要点をまとめてみた.
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