Japanese
English
特集 Crohn病とその辺縁疾患
鑑別の問題点
臨床の立場から―血管造影
Angiographic diagnosis of Crohn's disease
甲田 英一
1
,
平松 京一
1
Eiichi KOHDA
1
,
Kyoichi HIRAMATSU
1
1慶応義塾大学医学部放射線診断部
pp.1089-1097
発行日 1979年7月20日
Published Date 1979/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207238
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はじめに
クローンらが1932年にregional ileitisという疾患概念を提唱して以来1),数多くの研究者の努力によつて彼等の提唱した疾患は消化管のどの部位にも起こりうる肉芽腫性炎症であることが判明してきた.1976年に日本消化器病学会クローン病検討委員会できめられたクローン病診断基準2)によれば,①非連続性または区域性病変,②cobblestone appearanceまたは縦走潰瘍,③全層性炎症性病変(腫瘤または狭窄),④サルコイド様非乾酪性肉芽腫,⑤裂溝または瘻孔,⑥肛門部病変(難治性潰瘍,非定型的痔瘻または裂肛)が臨床及び病理所見とされている.今回はこれらの変化によつてひきおこされる血管像,及び除外診断としてあげられている腸結核,潰瘍性大腸炎,虚血性(大)腸炎,放射線照射性(大)腸炎,腸型ベーチェット,単純性(非特異性)腸潰瘍,"非特異性多発性小腸潰瘍症",および急性回腸末端炎のうち特に前二者を中心にその鑑別点を考察した.
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