今月の主題 今日の血液形態学
白血病細胞の形態学
Subacuteおよびchronic myelomonocytic leukemia
中山 志郎
1
,
星野 孝
2
Shiro NAKAYAMA
1
,
Takashi HOSHINO
2
1神戸市立中央市民病院・免疫血液内科
2京都大学医学部
pp.1206-1207
発行日 1980年8月10日
Published Date 1980/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216630
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はじめに
顆粒球系に加えて単球系細胞が増加するmyelomonocytic leukemia(MMoL)は,従来,骨髄性白血病の一つのvariantとみなされているNaegeli型単球性白血病を指したものであった.しかし1971年SaarniとLinmanは1),MMoLにはNaegeli型の急性例と,末梢血と骨髄の芽球比が比較的低率で経過が緩慢なものまで,その臨床像に幅広いspectrumがあることを特徴としてあげている.次いでZittounは2),non-acuteのこのような型の一連の症例には,従来の白血病分類には合致しない臨床的,血液学的特徴が存在することから,一つの疾患単位と考えてsubacute MMoL(SAMMoL)なる名称を提唱し,またこの型の白血病には,6〜12カ月の経過を示す真の意味でのsubacute型と,数年間無症状で良性の経過をとるchronic型に分けられるとしている.さらに上記と同様の血液学的,臨床的特徴を有し,慢性の経過を示す症例が,Miescherら,Gearyら3)によりchronic MMoL(CMMoL)の名称で報告されている.本症の病態については,顆粒球や単球系のみならず,赤芽球や巨核球系など他の骨髄細胞系にもしばしば異常が認められることから,骨髄増殖性疾患に属するものと考えられている.
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